10年愛され続けるブランドを変える勇気 
後押しをしたのは、ファンの方々の“リアルな声”

MASH GROUPマガジン

200を超えるブランドを取り扱うコスメキッチンにおいて、
化粧水・乳液部門9年連続売上No.1に選ばれ続けている
F organics(エッフェオーガニック)がリニューアル!

10年間不動の人気を誇るブランドのリニューアルを担当し、
新生「F ORGANICS」の企画・開発を手掛けたマッシュビューティーラボ
ブランド企画本部の佐藤育実さん、近藤眞央さんに、リニューアルの秘話をうかがいました。

「変えること」「変えないこと」に真摯に向き合ったブランドリニューアル

近藤私が入社をしたのは、ちょうどブランドリニューアルを検討している頃で、入社以来2年間このリニューアルに向き合ってきました。10年間ずっと愛され続けるブランドだからこそ、“リニューアル後も変えずに大事にする部分”と“リニューアルを機に大きく変える部分”の両側面があり、非常に大きなプレッシャーも感じながら誠実にものづくりに臨みました。

佐藤商品企画を担当した近藤さんは、実は研究職だった経歴がある稀有なキャリアの持ち主。商品企画の業務にはどうしても商品のコストを考える目線が必要となりますが、近藤さんにはそれと同じくらい「機能性成分を可能な限り多く配合してよりよいものを届けたい」という熱意があったため、他の部分でコスト交渉の努力を重ね、結果的に価格は据え置きのまま機能性成分をたっぷりと配合したものが完成しました。

近藤10年にわたってお客様に支持され続けてきたことはブランドとしての大きな強みでしたが、反面、デビュー以来変えていない成分・処方のアップデートが必須だと考えました。ここ10年間のナチュラル・オーガニック化粧品の成分開発や研究成果は目覚ましく、天然由来成分100%で機能面をパワーアップできると確信し、日々開発に注力しました。

佐藤ブランドを愛用してくださっているお客様は、その多くが30~40代となり、共通する一番のニーズは「保湿力」でした。だからこそ、今回は「うるおい巡る、水脈肌。」というキャッチコピーのもと、ベーシックかつ最も多くの方に支持されている「モイスチャーシリーズ」からリニューアルを行い、「ディープモイスチャーシリーズ」へと生まれ変わりました。

近藤具体的には、保湿成分配合量を従来品に比べてすべて20%UPさせ、名実ともにパワーアップしたと自負しています。肌に潤いを与えながら、肌に潤いを巡らせる“水脈肌”を育むことを目指した処方に仕上げており、中でも注目いただきたいのは、今回新たに配合した常在菌バランスを整える成分。オーガニックコスメにも使用できる成分で、生活環境やストレス、気候などで乱れてしまいがちな菌バランスを調節し、ひとりひとりが持つベストなバランスへと導いてくれる働きがあります。

アンケートから見えた“愛され続ける理由”

近藤今回のリニューアルにあたっては、真摯にお客様の声に耳を傾けることも非常に重視していたため、お客様アンケートの結果もかなり参考にしました。対象としたのは、何千名という規模でいらっしゃる定期購入の方々。中でもヘビーユーザーの方にお願いして、好きなポイントやお気に入りのアイテム、ブランドへのご要望などをおうかがいしました。

佐藤かなりの数のファンの方々がいらっしゃるからこそ、変えることで良くなる部分と、変えてはいけない部分を見極めたい、との思いで行ったアンケートでしたが、“絶対に変えてはいけない”と感じたのが、「オーガニックであること」「香り」でした。
オーガニック・天然由来であることへの安心感や期待が非常に大きいブランドであると再認識できたため、そのお声に誠実に応えるためにも、「5品番すべてコスモスオーガニック認証を取得すること」がリニューアルの大切な軸の一つとなりました。認証取得商品であることは、初めて使う方にとっても安心して手に取ることの後押しになると信じています。

近藤当初は、香りも変えることも検討にしていたのですが、「他にはない香りだからこそ気に入っている」というお声が非常に多かったことが、リニューアル後に香りを変えないという決定打となりました。

佐藤私自身、特に気に入っているのがローション。さらっとしすぎず、でもべたつくわけでもない特徴的なテクスチャーで、肌にのせるととろっとなじむ心地よさが感じられます。特にローションは最もご愛用者様が多いアイテムのため、“今までと違う”と離反されないよう細かなところまでテクスチャーにこだわり、デリケートに開発を重ねました。

近藤テクスチャーでもっとも苦労したのがクリームです。保湿感を優先すれば白浮きやべたつきが気になる仕上がりになってしまったりと、機能面と使い心地のバランスに苦戦しましたが、何度も試作を重ねたことで自信を持ってお届けできるアイテムに仕上がりました。

「すべての肌は唯一無二」を追求したデザインと
サステナビリティを体現したパッケージへの挑戦

佐藤今回のリニューアルでは成分以外にも、ロゴやパッケージも大きく変えました。80種類以上もの「F」の文字から選ばれたのは、読みやすさはもちろんのこと、エッフェオーガニックが目指す“しなやかな印象でありながら、しっかりと自立している”というイメージを表現する文字。今回のリニューアルに際し、すべてを大文字にしたシンボリックなブランドロゴに生まれ変わりました。

近藤容器のボトルは、従来からのグレーを踏襲しながらも、ブランドの目指す厚みのある潤いを表現するために、透明感のある明るい印象のグレーに。そして、化粧箱には大理石模様が描かれたデザインとなっています。自然の積み重ねが生み出す芸術作品のような大理石は、エッフェオーガニックが求めるナチュラルな美しさを表しています。

佐藤実は、箱の正面にデザインされている大理石模様は5品番すべて異なります。ひとりひとりが持つ美しさを尊重する想い、石と同じで肌も唯一無二で、誰一人同じではないという考え方を表現したデザインなんです。

近藤リニューアルを機に、容器や包装に関しても可能な限り環境に配慮した素材に変更しました。バージンプラスチックを使用しないバイオマス樹脂や、燃やしたときのCO2排出量が軽減できるグリーンナノを配合するなど、スタイリッシュなデザインを保ちながら環境負荷軽減を目指した材質に。あわせて、化粧箱に使用する紙はすべてFSC認証紙、印字にはベジタブルインクを採用するなど、出来る限りの素材選定を行いました。

また、サステナビリティの取組の中で最もチャレンジングだったのは、「詰替え用の開発」でした。オーガニックコスメのリフィルの実現には品質保持や防腐剤の担保など数多くのハードルがありますが、お客様からのご要望も非常に多かったこともあり成分開発を追求した結果、天然由来成分100%の処方でリフィルを発売できることとなりました(2024年3月発売予定)。ボトル商品ではなく詰替え用を選択することで90%ものプラスチックの使用量削減につながります。最初は特にニーズの高いローション・ミルクの2品番のリフィルが登場しますが、引き続き対象商品を増やしていくことも検討しています。

オーガニックコスメ未経験の方など、より多くの方に届けたい自信作

近藤研究職であれば成分を決定し処方を完成させることがミッションとなりますが、商品企画として取り組んだエッフェオーガニックのリニューアルでは、作りたい商品を具現化するだけでなく、最終的にお客様の手に渡るまでのパーケージやボトルのデザインにまで広く関わることができました。
また、成分や商品が持つ力やその良さを直接チーム内に伝達できることで、より濃密に世界観作りや商品設計に携わることができ、ブランドや商品への思い入れもより強まっていると感じます。

佐藤今回のリニューアルは、これまでご愛用いただいていたお客様にご満足いただき、継続して使いたいと思っていただけるアイテムを、と強く思いながら企画を進行しました。その一方で、オーガニックという言葉に親しみがない方にとっても身近な存在になれたら、という思いも大切な軸として商品づくりに臨みました。
オーガニックコスメにあまり馴染みのない方や、メンズのお客様にも、洗練されたデザインや高い機能性に魅力を感じて手に取っていただけたら、何より嬉しく思います。

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